抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
牛乳アレルギーの臨床的な症状はアトピー性皮膚炎,湿疹,蕁麻疹,気管支喘息,下痢,嘔吐,腹痛,アナフィラキシーなど多様で,調査した集団によって発症頻度は0.1~7.5%と幅が広い。アレルギーは発症機構によりI型,II型,III型及びIV型に分類される。牛乳アレルギーにはIgE依存性アレルギーとIgE非依存性アレルギーの双方がある。牛乳アレルギーの診断は問診,除去及び誘発試験,血液中のIgE量測定などにより行われるが,完全ではない。牛乳アレルギーの治療は気管支拡張剤や抗ヒスタミン剤の投与,牛乳の食事からの除去によって行われるが,薬剤による副作用がある。牛乳アレルギーになるのは人工栄養児だけでなく,母乳栄養児もなる。約半分の母乳には牛乳アレルギーの主因物質であるβ-ラクトグロブリンが含まれている。牛乳アレルギー乳児のための治療乳には抗体やリンパ球との反応性,即ち抗原性があってはいけない。牛乳アレルギーをまだ患っていない乳児のための予防乳では牛乳蛋白質の抗原性があっても問題にはならず,牛乳蛋白質の免疫原性がないことが不可欠である。筆者は牛乳カゼインは分子量が5000の時は免疫原性があるが,3500以下になると免疫原性が著しく低下することを見出し,牛乳アレルギー予防用の育児用調製乳の開発提案を行い,製品化された。