抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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太陽型原始星およびその周りの惑星系の形成過程の解明は,われわれの住む太陽系の起源を知るうえで非常に重要な手掛かりとなる。しかし,惑星系のもととなる原始星円盤が形成されるとき,周囲にはまだたくさんのガスや塵が残っており,それらに埋もれた初期の円盤を観測する難しさとなっていた。この問題に対して,われわれは,「化学組成が物理状態やその過去の履歴を反映する」という独自の視点から,円盤形成の物理過程を調べる取り組みを続けている。また,これまでの研究によって,太陽型原始星の母体となる分子雲コアには化学的多様性があることがわかっている。われわれは,この化学的多様性が原始星円盤へも伝播されていることを最近明らかにした。天体によって,そこで形成される円盤の化学組成が大きく異なるということは,形態としての太陽系の起源のみならず,物質としての起源にもかかわる非常に重要な問題である。本稿では,アルマ望遠鏡で明らかになった原始星円盤の化学的多様性を紹介するとともに,化学組成というツールを用いて描き出された新しい円盤形成の描像についても紹介する。(著者抄録)