抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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須崎・河津・手稲からの浅熱水性金テルル鉱中のカラベラス鉱(AuTe
2),シルバニア鉱(AuAgTe
4),クレネライト((Au,Ag)Te
2)等の(Au,Ag)Te
2鉱物の化学組成と産状について検討した。須崎からの鉱石では,テルル化合物と細粒石英のマイクロバンド中に(Au,Ag)Te
2鉱物が産する。テルル化合物バンド中の鉱物は,結晶作用の順に,クレネライトからカラベラス鉱-自然テルルを経てシルバニア鉱へと変化する。河津からの試料はシルバニア鉱と自然テルルを含み,粗粒灰色石英部分のスティツ鉱,ヘッス鉱,テルル蒼鉛鉱を伴う。手稲からの試料もシルバニア鉱と自然テルルを含み,重晶石と石英を伴う。須崎からのカラベラス鉱,クレネライト,シルバニア鉱のXRDのピークパターンは各々JCPDS43-1472,JCPDS8-20,JCPDS9-477のそれと同じである。須崎地域からのカラベラス鉱のTe,Au,Cu,Ag含量は各々56.4~57.9wt.%,41.6~42.6wt.%,0.28~0.45wt.%,0.14~0.31wt.%であり,分子式Au
0.97Ag
0.01Cu
0.02Te
2に相当する。須崎地域からのクレネライトのTe,Au,Ag,Cu含量は各々59.6~61.4wt.%,31.3~33.6wt.%,4.91~6.13wt.%,0.66~0.80wt.%で,分子式Au
0.71Ag
0.22Cu
0.05Te
2に相当し,AuとAgは各々0.68~0.74と0.02~0.25の範囲である。須崎地域からのシルバニア鉱のTe,Au,Ag,Cu含量は各々61.5~63.4wt.%,24.1~27.4wt.%,10.0~12.5wt.%,0.00~0.12wt.%である。河津地域からのシルバニア鉱のTe,Au,Ag,Cu含量は各々62.7~63.3wt.%,23.5~24.1wt.%,12.0~12.5wt.%,0.09~0.16wt.%である。手稲地域からのシルバニア鉱のTe,Au,Ag,Cu,Fe含量は各々61.8~63.5wt.%,23.6~24.7wt.%,11.9~13.3wt.%,0.01~1.65wt.%,0.00~0.02wt.%である。須崎・河津・手稲からのシルバニア鉱の平均的分子式は各々Au
1.06Ag
0.94Cu
0.02Te
4,Au
1.00Ag
0.95Cu
0.02Te
4,Au
1.01Ag
0.95Cu
0.06Te
4である。これらの鉱石及びその他の産地の鉱物組合せから判断して,日本列島のAu-Te鉱化作用は以下の4つのタイプに分類可能である:伊達・阿川の自然金~カラベラス鉱,恐山・陸奥のクレネライト(-自然テルル),手稲・河津・小別沢・河東のシルバニア鉱-自然テルル-ヘッス鉱,須崎・串木野の多金属集合体である。水溶性テルル種のpH-Ehダイヤグラムと250°Cでのテルル鉱物から,浅熱水性金テルル鉱化作用において(Au,Ag)Te
2鉱物は中~低度のEh及び酸性(~中性)pH条件下で形成されることが分かった。テルルを含む希釈流体によって,希釈された金を集めることが可能である。Copyright 2017 Wiley Publishing Japan K.K. All Rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.