文献

J-GLOBAL ID：201702272667925109   整理番号：17A1044905

強いポリマー材料をユビキタスな刺激により修復する-強度と修復性の両立-

著者 (1件)： 吉江尚子 (東大 生産技研)
資料名： 高分子  (Polymers)
巻： 66  号： 9  ページ： 503-506  発行年： 2017年09月01日 
JST資料番号： F0168A  ISSN： 0454-1138  CODEN： KOBUA3  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 短報  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 自己修復性高分子について解説した。高分子鎖に導入したトリスマレイミドとテトラフランのDiels-Alder反応(フラン/マレイミド間付加反応)により,機械的刺激で開裂した樹脂材料が,120~150°Cに保持することにより,付加反応の高架橋樹脂として修復されることが既に明らかにされている。これ以降,各種動的化学結合が自己修復性高分子に利用されている。可逆的な共有結合として,前記のDA反応の他,アルコキシアミン骨格,エステル交換反応,オレフィンメタセシス,ジスルフィド結合が挙げられる。分子間力的な結合として,水素結合,イオン結合,金属-配位子相互作用,π-π相互作用などが挙げられる。ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)ヒドロゲルが,含水率に応じて室温自己修復性を示すことが明らかにされている。

シソーラス用語： Diels-Alder反応 ,  酸素複素環化合物 ,  オレフィン化合物 ,  酸イミド ,  脂肪族カルボン酸 ,  不飽和カルボン酸 ,  メカノ化学 ,  架橋【高分子】 ,  化学結合 ,  イオン結合 ,  *共有結合 ,  エステル交換 ,  アミン ,  アルコキシ基 ,  メタセシス ,  ジスルフィド結合 ,  高分子鎖 ,  分子間力 ,  *分子間相互作用 ,  分子間水素結合 ,  ヒドロゲル ,  ポリアクリルアミド ,  *インテリジェント材料 ,  機能性高分子 ,  高分子反応 ,  *修理
準シソーラス用語： アルコキシアミン ,  オレフィンメタセシス ,  フラン誘導体 ,  マレイミド類 ,  *修復

分類 (2件)： 高分子固体の構造と形態学  (CG02022M) ,  高分子の分解,劣化  (CG03010A)

物質索引 (1件)： 2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸

引用文献 (34件)：

• S. D. Bergman and F. Wudl, J. Mater. Chem., 18, 41 (2008)
• X. Chen, M. A. Dam, K. Ono, A. Mal, H. Shen, S. R. Nutt, K. Sheran, and F. Wudl, Science, 295, 1698 (2002)
• C. Yuan, M. Z. Rong, M. Q. Zhang, Z. P. Zhang, and Y. C. Yuan, Chem. Mater., 23, 5076 (2011)
• M. Capelot, D. Montarnal, F. Tournilhac, and L. Leibler, J. Am. Chem. Soc., 134, 7664 (2012)
• Y. -X. Lu and Z. Guan, J. Am. Chem. Soc., 134, 14226 (2012)

タイトルに関連する用語 (4件)： ポリマー材料 ,  ユビキタス ,  刺激 ,  修復