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J-GLOBAL ID:201702284726039442   整理番号:17A0845733

脳特性と歩行能力計測による高齢歩行者の交通事故リスク要因の特定と個人対応型事故対策

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巻: 2016  号: 本報告/中間報告  ページ: 152-171  発行年: 2017年05月 
JST資料番号: F1045A  ISSN: 2185-5188  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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交通事故死亡者数は減少傾向にあるとはいえ,平成26年の死者数は全国で4,113人に達した。このうち,実に1,063人が,歩行中に事故に巻き込まれた高齢者である。この数を劇的に減らさなければ,交通事故問題の解決はあり得ない。このような問題意識から,本研究では,歩行中に事故に遭遇した人としていない人の両方から,身体機能・認知機能に関するさまざまな個人特性に関するデータを計測することを通じ,矛中に事故に遭遇するリスクを説明できるような指標を特定することを目的とした。1年目の平成27年度は,データ収集体制を確立することが中心的な課題であったが,高知県警察本部や各警察署の高齢者アドバイザーと協力して,歩行中に事故にあった経験のある人と,それに類する人口統計属性を持つ未経験者とから,MRIを含む情報を収集する体制を構築することができた。2年目の平成28年度は,構築したデータ収集体制に基づいてデータの収集を継続した。その結果,1年目に仮説的に得られていた知見の正しさに関する蓋然性を,高めることができた。具体的には,事故経験者23名と事故未経験者19名の合計42名のデータ分析によって,視力の平均値に差が見られることが確認された(5%統計的有意水準)。また,前頭葉機能の検査であるFAB(Frontal Assessment Battery)においても,(10%有意水準ながら)平均値に差が検出されることも分かった。さらに,認知機能のテストに使われるMMSE(Mini Mental State Examination)の得点についても,合計得点においては差が見出されなったものの,記憶力に関する部分点の平均値において差が見られた。すなわち,視力,前頭葉機能,記憶力が低いことが,歩行中に交通事故に遭遇することのリスク要因になっているという仮説の蓋然性を高めることができた。2年間で42名のデータを収集することしか出来なかった点は,研究代表者の不徳の致すところである。ただ,このことは,個人情報をする責務の中で事故経験者から情報を収集することの困難さ,および事故経験者と類似の属性を持つ高齢者を探し出すことの困難さを反映している。そのような困難があるからこそ,本研究と類似の研究がこれまでなされてこなかったのであって,そのこと自体が本研究の意義の高さを示していると考えることも出来る。(著者抄録)
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分類 (1件):
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自動車事故,交通安全 
引用文献 (10件):

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