抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究の目的は,乾雪への浸透を対象とする数値計算モデルの検証である。ふるい分けにより粒径を調整した4種類の雪試料を用いて乾雪への鉛直1次元浸透実験を実施し,浸潤前線の先端部の位置を測定した。浸透実験の結果と,既存の水分移動モデルによる計算結果とを比較し,モデルの再現性能について検証を行った。その結果,粒径の小さな雪においてはリチャーズ式に基づくモデルにより浸潤前線の先端部の移動速度を概ね良好に再現することが出来ることが確認された。一方で,粒径の大きな雪では浸透初期において浸潤前線の移動速度が小さく,非常に高い含水状態になる現象が確認された。この測定結果を用いて数値計算結果と比較したところ,リチャーズ式に基づくモデルでは浸透初期の移動速度を過大評価する結果となった。また,水侵入圧の効果を考慮するために浸潤前線の前進に対してマトリックポテンシャルの閾値を導入したモデルでは,浸透初期に浸潤前線の先端部の移動速度が小さくなる現象を再現することは出来たが,その移動速度は実際の現象と比較して過小評価する結果となった。(著者抄録)