抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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酸性泉と火山ガラスとの相互作用について,開放形に改良したソックスレー抽出器を用い,pH2および4の塩酸,硝酸,硫酸,およびCO
2飽和水,蒸留水を用いて,50°Cで約2年間,長野県和田峠産黒曜岩を対象に人工風化実験を行い,反応後の試料溶液および岩石表面の化学的検討,二次鉱物の検討を行った。3種酸溶液およびCO
2飽和水との反応で黒曜岩表面には,溶脱による窪みや不規則な割れ目がみられた。変質した岩石表面の(Mg+Fe)/(Si+Al)および(Na+K+Ca)/(Si+Al)のモル比は,実験日数の増加に伴って減少した。岩石表面の二次鉱物としてpH2塩酸溶液でハロイサイトが,pH4硝酸溶液で雲母粘土鉱物/スメクタイトおよび緑泥石/スメクタイトの各混合層鉱物が認められた。溶脱した各元素量と新鮮な黒曜岩中の各元素量との関係は,pH2および4の3種酸溶液でMg,Ti,Fe,Zn,Cu,Srは溶脱しやすく,Si,Na,K,Zr,Rb,Yは溶脱しにくいことを示した。岩石中の全元素量に対する各元素量と,溶脱した全元素量に対する各元素量との関係はAl,Na,K,Ca,Mn,Rb,Zr以外は選択的溶脱を,またREEはLa,Eu以外は強酸で化学量論的溶脱の傾向を示した。風化変質作用で移動しやすいとされる不適合元素LILEのKは溶脱しにくく,逆に移動しにくいとされるHFSEのTiは溶脱しやすい結果が得られた。(著者抄録)