抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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加温栽培‘デラウェア’において,12月下旬から保温を開始し,発芽後から加温を開始する長期保温法と1月中旬から加温する早期加温栽培について,ハウス内環境条件,生育,果実品質および燃油消費量を比較した。長期保温法における保温開始時の7.2°C以下の低温積算時間は,2016年2月加温の試験1が264時間,翌年に実施した2017年2月加温の試験2は270時間で,島根県の保温を開始する基準である400時間より短かった。試験1(2016年)の長期保温法の75%発芽所要日数は8日で,早期加温栽培より3日短かった。試験2(2017年)の長期保温法の75%発芽所要日数は11日であった。葉色値は,2016年4月1日以降処理区間による有意な差はなかった。早期加温栽培の果径は長期保温法より大きく推移したが,成熟期には差がなくなった。積算温度の低い長期保温法の糖度は,早期加温栽培より有意に低く,酸度は有意に高かった。長期保温法の10a当たりのA重油消費量は5,658Lで,早期加温栽培の10,688Lに比べて約47%の削減効果が認められた。以上のことより,2回のシアナミド処理を行い,保温開始時の7.2°C以下の低温積算時間が260時間に到達していれば,早期加温栽培に比べ生育の遅れもほとんどなく,発芽揃いも良いことが明らかになった。従って,12月下旬から保温を開始する長期保温法は,1月中旬から加温を開始する早期加温栽培に比べ燃油削減率が高く,省エネ効果の高い加温方法と考えられた。(著者抄録)