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J-GLOBAL ID：201802226868979005   整理番号：18A0000813

埼玉県吉見丘陵の凝灰質岩表面における胆礬の形成

Chalcanthite deposition on tuffaceous rocks at Yoshimi Hills, Saitama Prefecture, Japan

著者 (3件)： 直井良太 (東京学芸大 教育) ,  中田正隆 (東京学芸大 教育) ,  小室光世 (筑波大 生命環境系)
資料名： 資源地質
巻： 67  号： 2  ページ： 103-110  発行年： 2017年11月27日 
JST資料番号： L3439A  ISSN： 0918-2454  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 吉見丘陵の八丁湖近傍の洞穴壁面に青色を呈する胆礬(CuSO₄・5H₂O)を見出した。この胆礬の産状,性状を記載し,化学平衡論に基づきその生成環境,生成過程を考察した。母岩である凝灰質岩より試料を採取し,SEM観察の結果,胆礬とともに石膏が自形で晶出していた。胆礬と石膏の生成環境を明らかにするため,25°C,1atmの相図を作成した。化学平衡論に加え反応進行度も考慮した検討を行い,形成過程を次のように考察した。胆礬は,黄銅鉱を含む初生鉱脈と酸素に富む地下水との反応で形成された銅と硫酸に富む浅層地下水が,坑道の凝灰岩表面で蒸発により濃集した。同様の機構で,地下水に含まれるCaイオンにより石膏が析出した。

シソーラス用語： 洞窟 ,  *硫酸銅 ,  *石膏 ,  化学平衡 ,  熱力学線図 ,  凝灰岩 ,  黄銅鉱 ,  濃縮 ,  蒸発 ,  金属イオン ,  銅化合物 ,  カルシウム化合物 ,  地下水 ,  浅層水 ,  *硫酸塩鉱物 ,  カルシウムイオン ,  地球化学的濃集 ,  銅イオン
準シソーラス用語： 浅層地下水 ,  相図 ,  *胆礬

分類 (2件)： 岩石圏の地球化学一般  (DD01041C) ,  各種酸塩鉱物  (DE08060H)

引用文献 (23件)：

• 千葉とき子・斎藤靖二・松原聰 (1975) 埼玉県吉見丘陵の酸性凝灰岩. Bull. Natn. Sci. Mus., Ser.C(Geol), 1, 111-117.
• Hemingway, B. S., Seal, R. R., II, Chou, I.-M. (2002) Thermodynamic data for modeling acid mine drainage problems: Compilation and estimation of data for selected soluble iron-sulfate minerals. U.S. Geol. Survey, Open-File Report, 02-161, 13p.
• 堀口隆士・中田正隆・鹿園直建・本間久英 (1993) 水-岩石反応により形成されたアルノーゲン: Al₂(SO₄)₃・17H₂Oの産状及び生成過程. 日本地球化学会年会講演要旨集, 114.
• 堀口隆士・中田正隆・鹿園直建・本間久英 (2000) 凝灰岩表面での塩類集積現象に見られるアルノーゲンの産状および生成過程-埼玉県吉見丘陵を例として-. 鉱物学雑誌, 29, 3-16.
• Komuro, K. and Kajiwara, Y. (2003) Paleoceanography and heavy metal enrichment of mudstones in the Green Tuff Region, northeastern Japan. Resource Geol., 53, 37-49.

タイトルに関連する用語 (3件)： 埼玉 ,  丘陵 ,  岩