抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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食物からの鉛一日曝露レベルを推定するために,マーケットバスケット法に基づき静岡市内で購入した151の食品から調製した17の食物群ごとのコンポジットに含まれる鉛濃度の測定をICP質量分析法により行った。操作ブランクを低減化するためクリーンルームを使用した前処理を行った結果,低い検出下限値(0.17ng/g)が得られた。すべてのコンポジットで鉛が検出され,濃度は0.21~124ng/g(新鮮重量当たり)であった。この結果と,各食品群の一日摂取量についての国民健康栄養調査結果を用い,各食品群からの鉛曝露量を求め,その和から一日鉛曝露量を求めた。一日鉛曝露量は4.69μg/日で,最近報告されているマーケットバスケット調査結果の1/3~1/2程度の低い値であった。曝露に寄与する食品群は「藻類」(28.8%),「嗜好飲料」(13.8%),「野菜類」(12.8%)の順であった。検出下限以下の試料がなく,それにまつわる不確かさがない本結果は,現代日本人の一日鉛曝露量の例として今後のリスクの評価や管理において有用な情報を提供するものであると考えた。(著者抄録)