抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,黒色粉体燃焼における煙形成の簡単なモデルを開発した。煙形成は気相分子からの核形成としてモデル化される。75wt%のKNO
3を有する黒色粉末のためのこの核形成過程のための前駆体分子を,カリウム塩,K
2CO
3およびK
2SO
4として同定した。この決定は凝縮相中の化学種が排除される部分平衡計算に基づいている。標準の古典的核形成理論(CNT)を採用して,煙粒子の臨界核の半径と形成速度を推定した。黒色粉からの煙の主成分は,硫黄含有量に依存してK
2CO
3またはK
2SO
4粒子である。粒子の予測核形成速度は非常に速い。また,平均粒子半径と煙の体積分率の時間変化を,母集団原子価方程式(Smoluchowski方程式)を解くことによって評価した。黒色粉末燃焼により生成された煙の体積分率は10
-4のオーダーであると予測される。本研究ではまた,黒色粉末に添加した過塩素酸アンモニウム(NH
4ClO
4,AP)が,CNTとSmoluchowski方程式を用いて煙形成にどのように影響するかを調べた。CNTは,K
2CO
3とK
2SO
4粒子の臨界半径が,黒色粉末へのAPの添加によってかなり増加できることを予測する。このように,この介入は煙粒子形成を減少させることができた。CNTはKClの高い蒸気圧のためにKCl粒子は形成しないが,Smoluchowski方程式はKCl粒子が大量の添加APにより生成されることを示した。また,Smoluchowski方程式の解は,添加AP量が増加すると,煙の平均粒径と体積分率が減少することを示している。(翻訳著者抄録)