抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究の目的は,杭の変形性能を改善するために,SC杭の中空部分へのコンクリート中詰め効果を調べることである。基礎杭構造において,極限状態設計は,ますます必要となっている。しかし,プレキャストコンクリート杭の変形能力に関する研究は十分に進められていない。したがって,試験データ蓄積は,杭の変形性能を議論するのに十分でない。本研究は,プレキャストコンクリート杭のSC杭に焦点を当てた。以前の研究において,SC杭の変形性能に及ぼす各パラメータの影響について,単純な梁曲げ試験によって調査した。変形性能は,コンクリートまたはソイルセメントを杭の中空部分に中詰めすることによって強化されることを確認した。本研究で,片持梁曲げせん断試験によるSC杭の変形性能に対するいくつかのパラメータの影響を調べた。2つのパラメータを試験のために設定した。そのパラメータは,1)軸方向力,2)中詰め材料である。著者らは,破壊状態,垂直変位と部材角の関係,荷重と変位の関係,および曲げモーメントと曲率の関係を調査した。本研究から得られた知見を以下に示す。1)軸方向変位について,ソイルセメント中詰めは,急速な軸方向変位の進展を抑制することができる。そして,コンクリート中詰めでは,ソイルセメント中詰めよりも軸方向変位の進展を抑制することができる。高圧縮強度と高ヤング係数の中詰め材を使用することは,より効果的である。2)軸力保持性能については,部材角が進行した段階においても,中詰め材としてソイルセメントやコンクリートを用いることにより,導入した軸力を十分に支えることができる。3)曲げ変形性能の改善効果については,ソイルセメント中詰めの場合,改良効果は約27%(軸力比0.15)と約22%(軸力比0.23)である。コンクリート中詰めの場合,改善効果は約86%(軸方向力比0.16)と約89%(軸力比0.24)であった。4)曲げモーメントと曲率の最大値については,すべての試験体の試験値は,本研究における解析値と同等以上である。解析値を用いた性能評価は,地震構造設計において安全サイドであると考えられる。5)降伏曲げモーメント比=1の範囲で,単純梁方式試験及び片持ち梁方式試験による降伏曲げモーメント比と曲率との関係は,無次元化することにより比較することができる。(翻訳著者抄録)