抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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防災行政無線屋外拡声器による放送は,迅速な報知ばかりでなく,地震により公衆無線回線網のシステム障害やアクセス集中による通信障害が発生した際の最後の情報伝達手段として,重要な役割を果たす。受聴可能域を広げるために多くの屋外拡声器が点在配置されるが,複数の音声が異なる遅れ時間で受聴者に届くため,発話内容の聞き取りが困難になるロングパスエコーが問題となる。この問題の軽減に向け,音声の再生速度や単語間の空隙を調整する手法や,再生タイミングを拡声器間で連携して制御する手法などが提案されている。これらは時間要素を適切に制御することで問題解決を試みたものだが,本研究では,屋外拡声器の音声レベルを適切に制御することで問題解決を試みる。音声の聞き取り易さの評価値としては,残響環境での音声了解度指標として提案されたU
50に着目する。本来,U
50は初期到来音と後部残響音のエネルギー比で定義されるが,レベル制御下のロングパスエコー問題では,初期到来音が音声聴取の主要要素になるとは必ずしも限らない。そこで,新たに確率的U
50を定義し,この評価値を用いた全体最適化手法を提案する。これにより,同一レベルで出力した場合と比較して,U
50が平均で6.5dB向上した。(著者抄録)