抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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わが国のリンゴ生産の特徴の一つは,リンゴ農家が嗜好品としてリンゴを生産していることである。しかし,近年国内加工向けリンゴの需要が増大しており,供給の増加が期待されている。それに対して,果樹政策では2010年から加工向けリンゴ生産の強化がうたわれた。特に,加工向けリンゴ生産専用園の拡大が図られてきている。同時に,そのような農業は省力的であると考えられるため,今後の主要な担い手として考えられている大規模リンゴ作経営への導入が期待されている。本稿の目的は加工向けリンゴ生産を主として実施する大規模リンゴ作経営が成立するか実態から検証することである。分析結果は次のとおりである。加工向けリンゴ生産は省力的で高い生産性,収益性を有していた。なぜなら樹上の作業がなく,樹高をより高くできるため,省力化しても多収穫を得ることができるからである。加工向けリンゴ生産のコストは市場価格でもある程度採算が見込めるほど低い水準である。しかし,ビジネスサイズはファームサイズに比べて小さく,固定費が収益を強く圧迫するため,もし加工向けリンゴ生産のみ行うならば十分な収益は確保できない。(著者抄録)