抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
「ゆみあずさ」は,2008年に東北農業研究センターにおいて「奥羽400号」に「羽系1293」を交雑した雑種後代から,東北農業研究センターで選抜し,育成したいもち病に強く,多収で良食味の水稲品種である。「奥羽424号」の地方名で栽培特性・品質特性を検討し,優秀性が確認されたため,2017年に品種登録出願を行った。この品種の育成地(秋田県大仙市)での標肥移植栽培における特徴は,出穂期は「あきたこまち」より1日程度遅く,成熟期は「あきたこまち」より3日程度遅く,東北地域では“やや早”に属する。稈長は「あきたこまち」より12cm程度短く,穂長は「あきたこまち」よりやや長く,穂数は「あきたこまち」よりやや少ない。草型は“偏穂重型”である。倒伏は「あきたこまち」より明らかに少なく,耐倒伏性は“強”である。精玄米収量は「あきたこまち」より約13%多い。玄米は「あきたこまち」と比較して粒形は同等で,粒厚はやや厚い。玄米の外観品質は「あきたこまち」よりやや劣る。玄米のタンパク質含有率は,「あきたこまち」よりやや低く,白米のアミロース含有率は,「あきたこまち」よりやや高い。炊飯米は「あきたこまち」と同程度で良食味である。いもち病真性抵抗性遺伝子型は“Pia,Pii”と推定され,葉いもち圃場抵抗性,穂いもち圃場抵抗性とも“かなり強”である。縞葉枯病に“罹病性”で,白葉枯病圃場抵抗性は“中”,穂発芽性は“やや易”である。障害型耐冷性は“やや強”である。「ゆみあずさ」は,いもち病に強く,短稈で倒伏しにくく,多収で,食味も良好であることから,減農薬栽培,多肥栽培,直播栽培を行うことが可能であり,低価格の業務用米用途に適すると考えられる。(著者抄録)