抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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東日本大震災後の震災地では,高齢化が進むだけでなく,高齢者の地域離れも進み伝統文化を継承する者が減少しているとともに,仮設住居でのくらしにより,生活の中に残っていた食文化が加速度的に消滅しつつある。食文化の継承は,これまでの生活を次世代に繋げていくことであり,未来を失いつつある被災者が希望を見出す活動として意義があると考え,本研究では,石巻に20年以上在住する食生活改善推進員(被災者)や料理店に石巻の特産物や郷土食を聞き取り調査し,実際に再現調理したものを撮影し,記録として残すことを目的とした。特産物と料理は,春・夏版は魚介類15種類,野菜8種類,料理33種類,秋・冬版は魚介類15種類,野菜・穀類・その他6種類,料理21種類を選出した。記録の視点は,1)レシピを見ながら調理ができる,2)石巻の食文化を記載,3)家庭料理も掲載し,特に震災前後の食材や調理の違いを記載することとし,以下のような組立とした。a.魚介類の下準備をイラストなどでわかりやすく説明した(例:ほやの剥き方)。b.調理工程がわかりにくいものは,調理工程ごとに画像で提示した(例:おくずかけ)。c.料理における食材の使用や味付けなどがわかりにくいものは,材料名や量を記載し,栄養価も標記した(例:あいなめのなめろう,マンゴウのからし酢みそ和えなど)。d.外国人にも活用できるように,料理名や料理の作り方など,英訳を併記した。(著者抄録)