文献

J-GLOBAL ID：201802282858714221   整理番号：18A0241907

強度間伐地における森林管理手法の開発(第1報)

著者 (1件)： 江口則和 (愛知県森林・林技セ)
資料名： 愛知県森林・林業技術センター報告  (Bulletin of Aichi Prefectural Forestry Research Institute)
号： 54  ページ： 1-7  発行年： 2017年12月 
JST資料番号： Z0405A  ISSN： 1348-9445  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 低コスト林業のために広まりつつある強度間伐が,林内環境や残存木の生理活性等に与える影響を明らかにし,強度間伐地における適切な森林管理手法を開発することを目的とした。あいち森と緑づくり税を活用した人工林の森林整備事業31箇所で実態調査を行ったところ,強度間伐による光環境の改善効果によって,林床植生の植被率が間伐後3年目以降著しく高くなる傾向が認められた。一方,強度間伐が原因で,ニホンジカ被害や風倒被害が増加するといったことは認められなかった。また,新城市上吉田に設置した強度間伐モニタリング調査地において,残存木(ヒノキ)の生理活性を調べたところ,強度間伐による光環境改善の結果,樹木全体で受光できるようになり,生枝位置においても炭素固定能力が高まることが認められた。強度間伐後2年目までは顕著な成長促進効果は認められなかったが,強度間伐によって樹木全体の炭素固定量が増加すると考えらえるため,強度間伐後3年目以降に成長促進や樹勢の向上の可能性が期待できる。今後調査を継続することにより,強度間伐地における適切な森林管理手法を解明する。(著者抄録)

シソーラス用語： *森林計画 ,  *間伐 ,  林業 ,  *人工林 ,  環境税 ,  実態調査 ,  植生 ,  ヒノキ ,  枝 ,  炭酸同化 ,  樹木 ,  愛知県
準シソーラス用語： 改善効果 ,  強度間伐 ,  光環境 ,  残存木 ,  植被率 ,  森林管理 ,  低コスト ,  林床

分類 (3件)： 森林経営・経理  (FF01030I) ,  伐木,造材  (FF04000W) ,  森林生物学一般  (FF02010T)

引用文献 (14件)：

• D'Alessandro CM, Saracino A, Borghetti M (2006) Thinning affects water use efficiency of hardwood saplings naturally recruited in a Pinus radiata D. Don plantation. Forest Ecology and Management 222:116-122.
• 江口則和・石田朗・山下昇・高橋啓・鈴木千秋・岡田良平・佐藤亮介 (2015) 愛知県東部地域におけるニホンジカの個体数指標の推定. 中部森林研究 63:21-26.
• Farquhar GD, von Caemmerer S, Berry JA (1980) A biochemical model of photosynthetic CO₂ assimilation in leaves of C₃ species. Planta 149:78-90
• 石田朗・豊嶋勲・中西敦史・小林元男 (2014) 森林の強度伐採による効果のモニタリング(第2報). 愛知県森林・林業技術センター報告 51:1-7.
• 小谷二郎 (2009) 過密な針葉樹人工林に対する強度間伐が広葉樹の更新に与える影響-間伐後3年間の実生の生残と成長-.石川県林業試験場研究報告 43:5-12

タイトルに関連する用語 (4件)： 強度間伐 ,  森林管理 ,  手法 ,  開発