抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究は鳥取県日野川水系11地点の河川水,排水および生物を用いた環境モニタリングを実施し,無機態窒素と微量元素による汚染の動態評価を目的とした。その結果,養豚場排水(2)JS)のNO
2-とNO
3-濃度の総和は,他地点よりも有意に高値を示した。NH
4+濃度の中央値は2)JSで1.8mg/L,森林開発地下流(4)SKL)で2.0mg/Lであった。このことから,4)SKL付近において2)JSと同等のNH
4+濃度が流出していることが示唆された。さらに,2)JSおよび4)SKLが流入するイモチ病発生水田水(11)TAN)における無機態窒素濃度の中央値は2.5mg/Lであった。この値は農業用水基準値を無機態窒素濃度の値のみで2倍以上超過しており,2)JSおよび4)SKLによる影響が示唆された。また,河川水中微量元素濃度は2)JSで2元素,4)SKLで5元素が他地点よりも有意に高値を示した。なかでもMnは特に高値を示し,4)SKLの中央値はニジマスの胚におけるNOECを4.12倍超過していたことから,4)SKL付近の生物相への影響が懸念された。窒素の汚染源推定は藻類中δ
15N値を用いた。その結果,上流2地点(6)KU,1)ZU)と最下流部(9)HL)の窒素は自然由来で,2)JSに最も近い下流部(3)ZL)は家畜糞尿由来の可能性を示し,畜産排水による生態系への影響が懸念された。(著者抄録)