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J-GLOBAL ID：201902253618349216   整理番号：19A2460967

f電子系キラル磁性体Yb(Ni_1-xCu_x)₃Al₉における磁気ソリトン格子の形成

Chiral soliton lattice formation in monoaxial helimagnet Yb(Ni_1-xCu_x)₃Al₉

著者 (3件)： 松村武 (広島大 大学院先端物質科学研究科) ,  道村真司 (埼玉大 大学院理工学研究科) ,  稲見俊哉 (量子科学技術研究開発機構 放射光科学研究セ)
資料名： 放射光  (日本放射光学会誌)
巻： 32  号： 5  ページ： 239-249  発行年： 2019年09月30日 
JST資料番号： L0956A  ISSN： 0914-9287  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 鏡映面も反転心ももたない結晶構造をもつf電子系キラル磁性体Yb(Ni_1-xCu_x)₃Al₉について,ゼロ磁場でのらせん磁気構造と,磁場中で形成される磁気ソリトン格子状態を共鳴X線回折によって観測した。右型と左型それぞれの結晶構造をもつ試料を用意し,円偏光ビームを使ってらせんのヘリシティ(巻き方)との関係を調べた結果,1対1の対応関係があることがわかり,確かにジャロシンスキー・守谷型の反対称相互作用が存在していることを示す。また,らせん磁気秩序の伝播ベクトル(0,0,q)と垂直な方向に磁場をかけると,強磁性成分の発達とともにらせんがほどけて周期が長くなっていき,同時に,2倍高調波(0,0,2q)や3倍高調波(0,0,3q)成分が発達してくる。これは,局所的ならせんのひねりが周期的に並んで磁気ソリトン格子が形成されることを示している。バルク試料の磁化過程から予想されていたf電子系初のキラルソリトン格子の観測がいかになされたか,また,そこからわかってきたf電子系キラル磁性体の特徴について紹介する。(著者抄録)

シソーラス用語： *ソリトン ,  *磁性体 ,  *磁気構造 ,  ヘリシティ ,  円偏光 ,  磁気秩序 ,  螺旋磁性 ,  スピン-軌道相互作用 ,  交換相互作用 ,  *アルミニウム合金 ,  イッテルビウム含有合金 ,  銅含有合金 ,  ニッケル含有合金 ,  X線散乱 ,  共鳴散乱
準シソーラス用語： Dzyaloshinskii-Moriya相互作用 ,  f電子 ,  sine-Gordonモデル ,  カイラル結晶 ,  *カイラル磁性体 ,  キラリティ ,  キラル結晶 ,  ソリトン格子 ,  *らせん磁気構造 ,  *磁気ソリトン格子 ,  共鳴X線回折 ,  共鳴X線散乱

分類 (1件)： 金属結晶の磁性  (BM06040T)

引用文献 (33件)：

• G. H. Wagniére, On chirality and the universal asymmetry, (VHCA, Zürich & Wiley-VCH, Weinheim, 2007).
• X. Z. Yu, Y. Onose, N. Kanazawa, J. H. Park, J. H. Han, Y. Matsui, N. Nagaosa and Y. Tokura: Nature 465, 901 (2010).
• 望月維人,関真一郎: 日本物理学会誌 69, 132 (2014).
• 山崎裕一,中尾裕則: 放射光 30, 3 (2017).
• Y. Togawa, T. Koyama, K. Takayanagi, S. Mori, Y. Kousaka, J. Akimitsu, S. Nishihara, K. Inoue, A. S. Ovchinnikov and J. Kishine: Phys. Rev. Lett. 108, 107202 (2012).

タイトルに関連する用語 (5件)： f電子 ,  キラル磁性体 ,  Yb ,  磁気 ,  ソリトン格子