抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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日本気象庁によって「2018年7月豪雨」と命名されている,台風Prapiroonによって活性化された梅雨前線の影響に起因する2018年7月の豪雨は,多くの災害を引き起こした。そこで,愛媛県宇和島市と西予市および高知県大豊町の周辺の堆積物関連災害の現地調査を行った。AMeDASの宇和(西予市)と宇和島の両観測点で観測された7月5日~9日の総降雨量は,それぞれ539.5mmと381.5mmであった。宇和島市と西予市の周辺では,2018年7月7日未明に多くの斜面崩壊と土石流が発生した。これらの斜面崩壊と土石流の多くは,宇和島市と西予市の間の境界域を形成する山岳地域の南側で発生した。この境界地域は,秩父帯と四万十帯を地質学的に分離する仏像構造線とほぼ重なっている。斜面崩壊の多くは,約1~5mのすべり深さを有する浅い地滑りであるが,累積降雨記録が大きく更新された地域では比較的大きな斜面破壊も発生した。高知県大豊町においては,7月7日未明に深層崩壊が発生した。立川雨量観測所の近傍で観測された7月5日~8日の総降雨量は約1200mmであり,7月6日19:00に記録された最大時間雨量は111mm/hであった。大豊町におけるこの深層崩壊は地形学的に地すべり地帯に位置し,以前の地すべり運動の痕跡は航空LiDARを用いて行った地形調査で確認された。(翻訳著者抄録)