抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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マツバギク(ハマミズナ科)は,公園や道沿いの緑化植物として,日本の都市環境のなかでも利用されている身近な多年生の植物である.本研究では,高塩濃度土壌におけるマツバギクのNaCl集積能について調査した.NaCl処理には,100, 200, 400, 600 mMのNaCl溶液を施した処理区を設け,処理開始から1週,2週,3週,そして6週間後の試料を採取し調査した.その結果,マツバギクは,日本における除塩目標値を上回る高塩濃度土壌においても生育できることが明らかになった.NaClの処理濃度に伴って,地上部に蓄積されるNa
+量は著しく上昇した.地上部のNa
+量およびCl
-量は地下部のそれと比べて,それぞれおよそ2倍および10倍上回っていた.さらに,地上部の含水率は,100 mM区から400 mM区において,対照区と同等に維持されることが明らかとなった.地上部では,生体内の水分量を維持することで,塩の悪影響を回避していることが推察された.マツバギクでは,400 mM区で6週間育成させると,地上部乾物中のNa
+およびCl
-量はそれぞれ45 mg g
-1DW, 163 mg g
-1DWに達した.さらに600 mM区では,それぞれ102 mg g
-1DW, 135 mg g
-1DWに達した.このようなマツバギクの優れたNaCl集積能は,塩害土壌におけるファイトレメディエーション技術として一定の効果を上げることが示唆された.(著者抄録)