抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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日本における現代農業の最大の問題の一つは,如何に食料生産を存続し発展させるかである。日本における農業を存続し発展させるための戦略を,日本の各地域を代表する持続可能な農業経営に取り組む10の既存事例の研究に基づいて議論した。事例研究は,東京西郊の都市農業,北陸の稲作,十勝の畑作物栽培,佐賀の水稲と畑作物の二毛作,渥美の温室栽培,甲府の果樹栽培,奥州市の高級牛肉生産,赤城の野菜栽培とその加工と出荷の組み合わせ,浅間のキャベツ栽培,蒜山の野菜栽培と販売の組み合わせである。持続可能な農業管理のための戦略の主な要素は,(1)有能な農業経営者,彼らの後継者,および農業労働者の確保,(2)先進技術,機械,および施設を持つ大規模あるいは集約営農による合理的な農業管理の構築,(3)農産物および農業以外の業務からの両方を含む安定した収入源の確保,(4)農産物の複数販売網の確立,(5)生産者と消費者の間のネットワークの形成,である。既存事例の研究は,地域,物理的,経済的,社会的,文化的および政治的条件が,農業および農村地域の持続可能な発展において重要な役割を果たすことを示唆している。これらの中で,農産物の主要な市場である大都市へのアクセシビリティ,農業生産のための好ましい物理的条件,および適切な政治的条件が重要である。効率的な農業管理と農村コミュニティを導く有能で人望のある農業経営者は,それらの地域的,物理的条件を利用して農業を持続し,発展させるために特に必要である。日本における農業の持続可能で実行可能なタイプを明確にするためには,地域差に対応する必要がある。(翻訳著者抄録)