抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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代表的な有機酸に着目した市販清酒の酒質の把握,ならびに清酒含有有機酸組成に関する情報提供を目的として,H29酒造年度の市販清酒212銘柄の有機酸分析を行った。乳酸,リンゴ酸,コハク酸,酢酸およびピルビン酸濃度の平均値±標準偏差は,それぞれ633±279,300±120,360±67,42±65および108±78mg/Lであった。清酒製造に用いられた米の精米歩合の数値と乳酸およびコハク酸の間には,弱い正の相関がみられた。精米歩合とリンゴ酸およびMA/SA比の間には,相関関係が見られなかったが,精米歩合に規定がある純米吟醸や純米大吟醸酒を表示する銘柄の清酒は,規定がない純米酒と比較し,高リンゴ酸含量,高MA/SA比の清酒である割合が高いことが明らかとなった。オフフレーバーの一つである酸臭の原因物質である酢酸の含有濃度は,約96%の清酒で官能評価における閾値以下であったが,オフフレーバーの前駆物質であるピルビン酸濃度については,全体の約37%の清酒において,上槽実施の目安となる100mg/Lを上回っていたことが明らかとなった。(著者抄録)