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J-GLOBAL ID：201902286061767258   整理番号：19A0766085

施工性を考慮してSC杭の中空部を残した改良方法の検討 SC杭の変形性能向上に関する研究(3)

A STUDY ON IMPROVEMENT METHOD LEAVING HOLLOW PART WITH STEEL & COMPOSITE PILES IN CONSIDERING WORKABILITY Study on improvement in deformation capacity of steel & concrete composite pile

著者 (3件)： 田中佑二郎 (ジャパンパイル(株)) ,  関口徹 (千葉大学大学院工学研究院) ,  塚越俊裕 (千葉大学大学院工学研究科)
資料名： 日本建築学会構造系論文集  (Journal of Structural and Construction Engineering (Transactions of AIJ))
巻： 84  号： 756  ページ： 205-215(J-STAGE)  発行年： 2019年 
JST資料番号： F0393B  ISSN： 1340-4202  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 本研究の目的は,SC杭の変形性能を改善するために,SC杭の中空部分の改良法について検討することである。杭基礎構造において,大地震を想定した設計の改善が急がれる。しかし,プレキャストコンクリート杭の変形性能に関する研究は十分に進んでいない。したがって,杭の変形性能を議論するのに,試験データの蓄積は十分でない。以前の研究で,SC杭の中空部に補強材を充填することが,変形性能の改善に有効であることを確認した。しかし,中空部に補強材を充填したSC杭を使用する際に,施工面でいくつかの課題があった。そこで,本研究では,施工面での柔軟性を確保するために中空部を残した改良法について検討した。2つの改良法について検討した。その2つの改良方法とは,1)杭体コンクリートの肉厚を増す,2)SC杭の中空部分に内部鋼管を設置する方法である。改良法の有効性について,単純梁曲げ試験と片持ち梁曲げせん断試験により確認した。垂直方向の変位と部材の角度,荷重と変位の関係,曲げモーメントと曲率の関係について解析した。さらに,杭の変形性能を評価する解析法を提案し,実験値と解析値を比較した。本研究から得られた知見を以下に示す。1)杭本体コンクリートの肉厚を増加させることにより,最大耐力到達以降での曲げ強度と軸方向変位の大きな減少を抑制することは困難である。しかし,変形性能を改善する効果は期待できる。2)杭体コンクリートの肉厚を増加させることによる変形性能向上の効果は,コンクリートを充填材に用いた補強法より劣る。しかし,それは充填材としてソイルセメントを用いる補強法と同じである。3)杭を二重鋼管にすることにより,繰返し曲げ応力による軸方向変位を抑制でき,曲げ変形性能の改良効果が期待できる。4)杭を二重鋼管にすることにより変形性能を向上させる効果は,充填材にソイルセメントを用いた補強法と同じである。5)外部鋼管と杭中空部の影響を考慮した解析法を提案した。杭の曲げモーメントと曲率との関係は,提案した解析方法によって評価することができた。しかし,中空部が複数の材料(内部鋼管とモルタル)で改良された場合,提案した解析法の結果は過小評価される。(翻訳著者抄録)

シソーラス用語： *コンクリート杭 ,  伸び率 ,  耐荷力 ,  充填材料 ,  *曲げ強さ ,  ソイルセメント ,  曲げモーメント ,  中空円筒 ,  *中空鋼 ,  厚み ,  曲げ試験 ,  曲率 ,  片持梁 ,  杭基礎 ,  繰返し荷重 ,  肉厚 ,  *変形能 ,  *機械的性質 ,  *強度
準シソーラス用語： SC杭 ,  *変形性能

著者キーワード (8件)： 既製-ト杭 ,  変形 ,  二次 ,  繰り返し ,  プレキャストコンクリート杭 ,  変形能力 ,  極限状態設計 ,  繰返し荷重

分類 (1件)： 杭,杭基礎,矢板式基礎  (RA03080W)

引用文献 (11件)：

• 1) Kaneko, O., Nakai, S. and other 4 : The Flexural Strength and Deformation Characteristics of Precast Concrete Piles for Estimation of Seismic Performance Against Severe Earthquakes, AIJ Journal of Technology and Design, Vol. 21, No. 47, pp. 95-98, 2015.2 (in Japanese)
  金子治, 中井正一, 他4名 : 大地震時に対する耐震性能評価のための既製コンクリート杭の曲げ強度と変形特性, 日本建築学会技術報告集, 第21巻, 第47号, pp. 95-98, 2015.2
• 2) Nagasawa, K., Kiya, Y. and Goan, M. : Study on flexural deformation of precast concrete piles Part1, Summaries of Technical Papers of Annual Meeting, Architectural Institute of Japan, Structures-I, pp. 757-758, 2016.8 (in Japanese)
  長澤和彦, 木谷好伸, 後庵満丸 : 既製コンクリート杭の曲げ変形性能に関する研究 その1, 日本建築学会大会学術講演梗概集, 構造-I, pp. 757-758, 2016.8
• 3) Ikezaki, D. Sako, Y. and Okano, H. : Restoring Force Model for Prefabricated Concrete Piles, Journal of Structural and Construction Engineering (Transactions of AIJ), Vol. 83, No. 743, pp. 89-99, 2018.1 (in Japanese)
  池嵜大輔, 酒向裕司, 岡野創 : 既製コンクリート杭の復元特性に関する研究, 日本建築学会構造系論文集, 第83巻, 第743号, pp. 89-99, 2018.1
• 4) Kokusho, S., Wada, A. and other 3 : Experiments on the Seismic Behavior of PHC Piles, Journal of Structural and Construction Engineering (Transactions of AIJ), No. 376, pp. 71-80, 1987.6 (in Japanese)
  黒正清治, 和田章, 他3名 : 軸力と水平力を受ける高強度PC杭の力学的性状に関する実験, 高強度PC杭の耐力および変形性能向上に関する研究1, 日本建築学会構造系論文報告集, 第376号, pp. 71-80, 1987.6
• 5) Tanaka, Y., Sekiguchi, T. and other 2 : A Study on Effects of Fill in Hollow Part of SC Piles Based on Simple Beam Bending Test, Journal of Structural and Construction Engineering (Transactions of AIJ), Vol. 82, No. 736, pp. 823-829, 2017.6 (in Japanese)
  田中佑二郎, 関口徹, 他2名 : 単純梁方式曲げ試験によるSC杭の中空部に中詰めした効果の検討, SC杭の変形性能向上に関する研究(1), 日本建築学会構造系論文集, 第82巻, 第736号, pp. 823-829, 2017.6

タイトルに関連する用語 (6件)： 施工性 ,  SC杭 ,  中空部 ,  改良方法 ,  変形性能 ,  研究