抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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1.晩秋季に高糖度で出荷規格の根重に適合したダイコンを収穫できる播種適期を推定するため,播種後の日平均気温の積算値と根重の関係を検討した.さらに,目標とする糖度を設定するための参考に蒜山地域産‘冬職人’と他産地のダイコンの糖度を比較した.2.播種日から収穫日までの日平均気温が20°Cを超える日に対しては20°Cに変換して合計した有効積算気温と,根重には高い相関が認められ(決定係数R
2=0.93),関係式を得た.3.11月上中旬には北陸,四国,九州地方産のダイコンの抽根部の糖度は概ね4.5度以下だったのに対し,蒜山地域産‘冬職人’の抽根部の糖度は4.9~5.4度と高く,その後12月まで他産地産との差が維持された.以上から暫定的に,糖度4.5度以上のものを高糖度とした.4.根重の変動係数を用いて約8割以上の個体を出荷規格(700~1,500g)の範囲で収穫できると推定された,平均根重が1,049gから1,125gまでの期間を,一斉収穫が可能な期間とみなした.産地の20か年のアメダスデータを用いて,8月20日~9月20日の各日に播種した場合の有効積算気温を算出し,本報告で得た有効積算気温と平均根重の関係式に当てはめて一斉収穫が可能な日を推定した.また,根雪の恐れがある12月4日までに一斉収穫が可能な播種日も推定した.さらに,前報で得た日最低気温と降水量による関係式に,アメダスデータを当てはめて,抽根部の糖度が4.5度以上となるとみられる日を推定した.5.その結果,9月1日~9月9日に播種することで,20か年中の8割に当たる16か年で,糖度4.5度以上のダイコンを,根雪の恐れがほとんどない時期に一斉収穫することが可能であったとみられ,本期間を播種適期と考えた.(著者抄録)