抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究の目的は,文字だけでは伝えることのできない非言語情報の1つである口調などに込められた感情を(音声が使えない状況でも)視覚的に伝えるために,フォントを工夫した字幕の表現方法を提案することである.先行研究を参考に,今回取り扱う感情として「怒り」「恐れ」「喜び」「悲しみ」の4種類を取り上げた.まず,実験に用いるフォントを選定するための調査を行い,それぞれの感情を示すと思われる4種類のフォントを決定した.次に,実験に用いる映像4種類を決定した.実験では,「こんにちは」という挨拶文を字幕として提示した.選定した映像4種類に調査で決定した4種類のフォント及びコントロールフォントの計5種類のフォントを字幕としてつけ,20種類の条件で実験を行った.その結果,それぞれのフォントがどの程度の感情を映像に印象付けできるかがわかった.「喜び」を表すと考えたフォントはほとんどの映像で1%水準で「喜び」がほかの感情に対して有意に高かった.「怒り」を表すと考えたフォントは一部の映像で「恐れ」の印象を与えたが,1%水準で「怒り」が有意に高かった映像もあった.「恐れ」を表すと考えたフォントは「悲しみ」の感情以外の2つの感情に対し1%水準で「恐れ」が有意に高かった.「悲しみ」を表すと考えたフォントはほとんどの映像で1%水準で「悲しみ」が有意に高かった.この結果を聴覚障害者用の映画の字幕に応用することが可能である.(著者抄録)