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J-GLOBAL ID：202002230426046633   整理番号：20A1702732

単分子磁石の二量化に伴う量子トンネル効果の抑制

Suppression of Quantum Tunneling Effect by Dimerization of Single-Molecule Magnets

著者 (2件)： 堀井洋司 (東北大 大学院理学研究科) ,  堀井洋司 (奈良女大 大学院人間文化総合科学研究科)
資料名： 熱測定  (Calorimetry and Thermal Analysis)
巻： 47  号： 3  ページ： 109-115  発行年： 2020年07月25日 
JST資料番号： Z0896A  ISSN： 0386-2615  CODEN： NESOD2  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 単一分子磁石(SMM)は,分子レベルで磁気双安定性を示す材料である。本レビューは,Mn12クラスタとランタノイド(III)-フタロシアニナトダブルデッカー錯体の磁化(QTM)の遅い磁気緩和と量子トンネリングをレビューすることにより,SMMの基本的概念を提供した。後半では,いろいろな種類の二量化法を利用するSMM特性の強化をレビューした。Cd(II)イオンと2つのダブルデッカーSMMを連結することによる二量化は,非常に弱いSMM-SMM相互作用がQTMを抑制できることを明らかにした。共有結合したSMM二量体は単量体錯体よりも大きな磁気ヒステリシスを示し,磁気特性が強磁性SMM-SMM相互作用により増強されることを示した。最後に,溶液中の超分子相互作用を二量化に利用した。超分子二量体の磁気緩和時間(τ)は単量体より1000倍大きく,SMM特性を増強するために二量化が有効であることがわかった。(翻訳著者抄録)

シソーラス用語： *磁石 ,  双安定性 ,  マンガン錯体 ,  クラスタ分子 ,  *磁気緩和 ,  *トンネル効果 ,  *二量化 ,  磁気ヒステリシス ,  相互作用 ,  分子間相互作用 ,  緩和時間 ,  結晶構造 ,  フタロシアニン錯体 ,  ジスプロシウム錯体 ,  カドミウム錯体 ,  テルビウム錯体 ,  磁化率 ,  紫外可視吸収スペクトル ,  陽子磁気共鳴 ,  *希土類元素錯体
準シソーラス用語： マンガンクラスタ ,  強磁性相互作用 ,  磁気相互作用 ,  *単一分子磁石 ,  超分子相互作用 ,  *量子トンネリング

分類 (3件)： 第3族元素の錯体  (CE01060J) ,  第6族,第7族元素の錯体  (CE01080F) ,  その他の無機化合物の磁性  (BM06060P)

引用文献 (35件)：

• M. N. Baibich, J. M. Broto, A. Fert, F. N. Van Dau, F. Petroff, P. Etienne, G. Creuzet, A. Friederich, and J. Chazelas, Phys. Rev. Lett. 61, 2472-2475 (1988).
• G. Binasch, P. Grünberg, F. Saurenbach, and W. Zinn, Phys. Rev. B 39, 4828-4830 (1989).
• M. Urdampilleta, S. Klyatskaya, J. P. Cleuziou, M. Ruben, and W. Wemsdorfer, Nat. Mater. 10, 502-506 (2011).
• S. M. J. Aubin, M. W. Wemple, D. M. Adams, H.-L. Tsai, G. Christou, and D. N. Hendrickson, J. Am. Chem. Soc. 118, 7746-7754 (1996).
• R. Sessoli, D. Gatteschi, A. Caneschi, and M. Novak, Nature 365, 141-143 (1993).

タイトルに関連する用語 (3件)： 単分子磁石 ,  二量化 ,  量子トンネル効果