抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
液相還元法による金属ナノ粒子合成プロセスにおいて,還元による溶液中の金属イオンの減少速度と金属イオンの供給源となる前駆体からの金属イオン溶出速度とのバランスは,ナノ粒子の析出状態をコントロールする上できわめて重要なファクターである。すなわち,前駆体の種類や形態により金属イオン溶出速度が変化すると,最終的に生成するナノ粒子の性状にも大きく影響が及ぶ。本研究では,銅ナノ粒子の合成に際し,前駆体として用いるための酸化銅を塩基性炭酸銅(II)の熱分解により作製することを試みた。このとき,最終的に生成する銅ナノ粒子の形態を適切に制御するためには,塩基性炭酸銅(II)の熱分解挙動および熱分解により生成する酸化銅の結晶状態を理解することが重要であると考え,高温X線回折法を用いた結晶構造の詳細な評価を行った。その結果,塩基性炭酸銅(II)の実際の熱分解温度は,熱力学計算により求まる理想的な温度とよく一致することが確認されるとともに,昇温に伴う酸化銅の結晶子サイズおよび格子定数の変化の評価に対して高温X線回折法によるその場結晶構造解析が非常に有効であることが分かった。(著者抄録)