抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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河川におけるカメ類調査でのUAV(ドローン)の有効性を検討するため,2016年10月に愛知県豊田市の逢妻女川および逢妻男川の合計約13kmの範囲でUAVによる空撮を行い,撮影した動画から確認されたカメ類の種類,位置,機体の接近に伴う逃避行動の有無を記録した.これにより,(1)532個体のカメ類を確認し,このうち300個体はミシシッピアカミミガメ(以下,アカミミガメと表記),2個体はニホンイシガメ,2個体はニホンスッポンと判別された.一方,228個体は背甲の汚れや光の反射,撮影カメラの解像度などの影響により種類を判別できなかった.(2)UAVの接近によりアカミミガメがその場から逃避することで,より正確に計数できる利点が示された.(3)アカミミガメの確認位置を地図上に記録して100m間隔での個体数を比較したところ,区間によって確認数が大きく変化した.2017年に実施した広域一斉防除のカメわな当たり捕獲数との関係から,逢妻男川では緩やかであるものの有意な関連性が認められた.(4)大型個体(背甲長20cm以上)は陸上,中型(背甲長10cm以上~20cm未満)と小型(背甲長10cm未満)の個体は水面を含む水中に多くいる傾向があった.これらの結果から,UAVによるカメ類調査は,種判別に課題を残したものの,調査範囲における相対的なカメ類の分布状況を把握することができ,アカミミガメ防除でのカメわなの設置場所の選定など,具体的な実施計画の作成に活用できることが示唆された.(著者抄録)