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J-GLOBAL ID：202002246896410834   整理番号：20A1071979

金属有機複合体IRMOF-1が提供するミクロ空間における有機分子の動的挙動と相転移現象

Dynamic Behavior of Organic Molecules Confined in Micropores of Metal-Organic Framework, IRMOF-1

著者 (2件)： 上田貴洋 (大阪大 総合学術博物館) ,  上田貴洋 (大阪大 大学院理学研究科)
資料名： 熱測定  (Calorimetry and Thermal Analysis)
巻： 47  号： 2  ページ： 64-69  発行年： 2020年04月25日 
JST資料番号： Z0896A  ISSN： 0386-2615  CODEN： NESOD2  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 多孔質材料中に形成されたナノメータサイズの空間は,その中に閉じ込められた凝縮物質の物理化学的性質に著しい影響を与える。これは「閉じ込め効果」としてよく知られており,空間のサイズと閉じ込められた分子集合体の構造と物理的性質の関係に広く関心が持たれている。著者らは,吸着ベンゼン分子が等網状有機金属フレーム-1(IRMOF-1)において2つの相転移を示すことを見出した。固体NMRおよび分子動力学シミュレーションにより,ベンゼンの分子再配向および空洞内移動が,低温相および中温度相で,IRMOF-1中の2種類の空洞において起こることを明らかにした。中温相では,ベンゼンの動的無秩序が小さな空洞で起こり,それに伴い小さな空洞でのベンゼンが部分溶融した。対照的に,高温相では,ベンゼンの並進拡散が全ての空洞で起こる。この事実は,相転移が閉じ込められたベンゼンの融解に密接に関係していることを示唆している。本レビューでは,ベンゼンの分子運動と相転移を通してIRMOF-1に吸着された分子集合体の独特の構造と物理的性質について述べた。(翻訳著者抄録)

シソーラス用語： *相転移 ,  *多孔質体 ,  *効果 ,  *吸着 ,  NMR【磁気共鳴】 ,  計算機シミュレーション ,  分子配向 ,  細孔内拡散 ,  温度依存性 ,  融解 ,  分子運動 ,  亜鉛錯体 ,  オキソ錯体 ,  配位高分子 ,  示差熱分析 ,  スピン-格子緩和 ,  芳香族炭化水素
準シソーラス用語： *閉込め効果 ,  固体NMR ,  分子動力学シミュレーション ,  多孔質内拡散 ,  MOF【配位高分子】

分類 (2件)： 物理的手法を用いた吸着の研究  (CB12043P) ,  多成分系の相平衡・状態図一般  (CB03014B)

物質索引 (1件)： ベンゼン

引用文献 (31件)：

• M. Alcoutlabi and G. B. McKenna J. Phys.: Condens. Matter.17, R461-R524 (2005) and references are therein.
• Y. Morioka, J. Kobayashi, and I. Higuchi, J. Colloid and Interface Sci. 42, 156-164 (1973).
• C. Faivre, D. Belleta, and G. Dolino, Eur. Phys. J. B7, 19-36 (1999).
• O. K. Farha and J. T. Hupp, Acc. Chem. Res. 43, 1166-1175 (2010).
• D. Zhao, D. J. Timmons, D. Yuan, and H.-C. Zhou, Acc. Chem. Res. 44, 123-133 (2010).

タイトルに関連する用語 (4件)： 有機分子 ,  動的挙動 ,  相転移 ,  現象