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J-GLOBAL ID:202002261176607512   整理番号:20A2684829

北海道の山岳地(摩周湖)の霧水中の水溶性有機酸の分布および発生源

Distributions and sources of water-soluble organic acids in fog water from mountain site (Lake Mashu) of Hokkaido, Japan
著者 (4件):
資料名:
巻: 54  号:ページ: 315-326(J-STAGE)  発行年: 2020年 
JST資料番号: S0495A  ISSN: 0016-7002  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 英語 (EN)
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北海道北東部の山岳地(摩周湖の外輪山)においてシラカンバを減少させている可能性がある霧の酸性度への寄与と合わせて,低分子量(LMW)有機酸の分布とそれらの発生源をより良く理解するために,2015年5月および7月に摩周湖において霧水試料を採取した。LMWモノカルボン酸,ジカルボン酸,オキソカルボン酸,生物起源二次有機エアロゾル(SOA)-トレーサ(イソプレン-およびα-ピネン-酸化生成物)および一次生物学的エアロゾル粒子のトレーサ(PBAP,例えば糖類)などの様々な有機種について,無機イオンと合わせて試料を分析した。卓越したカルボン酸として,ギ酸,酢酸およびシュウ酸を検出した。霧試料中のそれらの濃度は,5月のシュウ酸を除いて,北アメリカ,アジア,およびヨーロッパの都市域や台湾の森林地域からのものより有意に低かった。5月のシュウ酸の濃度は7月の濃度より高く,SO42-およびNO3-の値が高いことと合致している。気団後方流跡線に基づいて,春の霧水中のジカルボン酸のより高い濃度にはアジア大陸が寄与していることが示唆された。本研究においてギ酸と酢酸の濃度は,生物起源トレーサとともに,5月より7月の方が高かった。7月の試料では,ギ酸+酢酸の濃度は生物起源SOAトレーサおよびPBAPと正相関を示した。シュウ酸も生物起源SOAトレーサおよびPBAPと相関した。生物起源の発生源からの一次放出および二次的生成は,7月の摩周湖からの霧中のLMWモノおよびジカルボン酸の濃度を支配する重要な因子である。霧水のpHは3.8~5.9の範囲であった。全カチオン当量(Na+,NH4+,K+,Ca2+,Mg+,およびH+)は全アニオン当量(SO42-,NO3-,Cl-,及び検出された有機アニオン)に匹敵した。有機+無機酸当量に対する有機酸当量の寄与は低かった(範囲:4~17%)。試料採取の期間において摩周湖の霧水における主要なイオンは無機イオンであった。本研究は,有機および無機酸の濃度は摩周湖の周辺における樹木生態系に損傷を引き起こすほどは高くないことを示した。(翻訳著者抄録)
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分類 (2件):
分類
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水圏・生物圏の地球化学  ,  気圏環境汚染 
引用文献 (49件):
  • Boreddy, S. K. R., Mochizuki, T., Kawamura, K., Bikkina, S. and Sarin, M. M. (2017) Homologous series of low molecular weight (C1-C10) monocarboxylic acids, benzoic acid and hydroxyacids in fine-mode (PM2.5) aerosols over the Bay of Bengal: Influence of heterogeneity in air masses and formation pathways. Atmos. Environ. 167, 170-180.
  • Boris, A. J., Lee, T., Park, T., Choi, J., Seo, S. J. and Collett, J. L., Jr. (2016) Fog composition at Baengnyeong island in the eastern Yellow Sea: detecting markers of aqueous atmospheric oxidations. Atmos. Chem. Phys. 19, 437-453.
  • Carlton, A. G., Wiedinmyer, C. and Kroll, J. H. (2009) A review of secondary organic aerosol (SOA) formation from isoprene. Atmos. Chem. Phys. 9, 4987-5005.
  • Collett, J. L., Jr., Herckes, P., Youngster, S. and Lee, T. (2008) Processing of atmospheric organic matter by California radiation fogs. Atmos. Res. 87, 232-241.
  • Ervens, B., Herckes, P., Feingold, G., Lee, T. and Collett, J. L., Jr. (2003) On the drop-size dependence of organic acid and formaldehyde concentrations in fog. J. Atmos. Chem. 46, 239-269.
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