抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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現在,米国の学校場面では,学校規模ポジティブ行動支援(school-wide positive behavior support:SWPBS)と介入に対する反応性モデル(response to intervention:RTI)のような,システムアプローチが幅広く実践され,研究されている。学業支援を中心とするRTIは,日本の特別支援教育においても少しずつ紹介されるようになり,RTIを参考とした実践研究も行われてきているがその数は少ない。RTIはSWPBSとの共通点も多く,行動分析学との関連も深いが,そのことは日本においてはほとんど紹介されていない。本稿では,RTIの主要な要素(多層予防システム,スクリーニング,プログレス・モニタリング,データに基づく意思決定)について解説し,RTIの構成要素(データに基づく意思決定,チームアプローチ)について,教員の指導行動に対する刺激性制御の観点から整理する。そして,近年のRTIとSWPBSを統合した多層支援システム(multi-tiered system of support:MTSS)について紹介する。最後に,日本におけるシステムレベルでの学校改革に向けた課題について,学校内および学校外の随伴性の整備の観点から整理する。(著者抄録)