抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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冬季に積雪地域を走行する鉄道車両には着雪が成長し,これが落雪することで地上設備の破損などの被害が発生することがある.被害低減を目的とした着雪抑制方法を検討するため,数値シミュレーションで着雪状況を再現することが求められている.しかし,着雪状況を計算可能なシミュレータに反映する着雪の発達条件は明らかになっていない.そこで本研究では,立方体模型を風洞装置内に設置し,気温-2°C,風速2.5~10ms
-1の条件で人工雪を降雪させて2種類の実験を実施した.一つは模型周囲の空気流と飛雪粒子の挙動を調べるための粒子画像流速測定実験,もう一つは風速や模型の回転角が着雪形状へ与える影響を調べるための着雪実験である.粒子画像流速測定法により,空気流は模型近傍で減速して方向を変えるが,飛雪粒子は風向に沿って減速せずに着雪表面に衝突し,衝突後,跳ね返った飛雪粒子は着雪表面に沿って流れることがわかった.また,着雪実験により,模型を回転させても風向と着雪表面のなす角度が風速毎にほぼ一定となることがわかった.十分に発達した着雪表面へ飛雪粒子が衝突した場合,衝突後の雪粒子は着雪表面に沿って流れると仮定して分析した結果,飛雪粒子の着雪表面の接線方向成分の速度は,風速が変わってもほぼ一定の値をとることがわかった.(著者抄録)