抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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0歳から5歳までの多くの子供たちは,活動時間のほとんどを保育園で過ごす。これらの保育園の部屋は,子供たちの声やさまざまな活動の音のために非常に騒がしいことが多く,部屋の吸音材の使用が少ないことに起因する過度の残響によって強化されている。いくつかの研究では,小学生の音声明瞭度を調査し,その結果は,低年齢層のスコアがノイズと長い残響の影響をより受けていることを示した。就学前の子供は低学年の小学生よりもさらに影響を受ける可能性があると予想されるが,これに関する研究は見つからない。そこで本研究では,3歳から5歳児を対象に2つの保育園の実際の教室で2回実験を行い,就学前児童の了解度に対する音響条件の影響を調べた。実験の手順は,子供たちが集中力を失うことなく,楽しく参加できるゲームのようなものであった。保育園での1回目の実験(第1回実験)の後,別の保育園で2回目の実験(第2回実験)を行い,第1回実験で見つかった問題に対応して手順を見直した。第1回実験には,教師,大学生および小学生(1年生から3年生,6歳から9歳)が参加し,第2回実験には,対照群として教師が参加した。了解度テストでは,日本語で3音で,子供に馴染みのある6つの単語を選択した。単語の各発声は,-5,0,および5dBの3つのS/N比のいずれかでピンクノイズと混合し,0.4,1.0,および2.5秒の3つの残響時間の室内インパルス応答で畳み込んだ。子どもたちは,その言葉が食べ物かどうかを判断し,「はい」または「いいえ」の記号が付いた板を持って手を上げて答えるように求められた。記録されたビデオから正解を判断し,各被験者の正解スコア(CAS,%)を試験単語の総数に対する正解の比率として計算した。その結果,3歳から5歳のグループの平均CASは低く,3歳から5歳のグループのCASの標準偏差は,両方の実験の教師のグループよりも大きいことが示された。一方,これらの結果は,3歳から5歳のグループと小学生のグループのスコアの違い,およびスコアに対する年齢グループと音響条件の相互作用を示していなかった。それにもかかわらず,3歳のグループのCASが全体として最低であり,教師のグループの80%とは対照的に34%であるという結果は,最悪の状態では,就学前の子供が成人より良い音響環境を必要としていることを示唆した。(翻訳著者抄録)