抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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南極氷床の底面に湖や水路の存在が明らかとなり,その特殊な水理・水文環境,生体の存在可能性に注目が集まっている.また氷の底面流動や融解,地殻熱の流入や浸食・堆積作用などが生じる境界として,氷床底面は南極氷床の変動や役割を理解する上で重要である.さらに棚氷の変動が近年の氷床質量減少の鍵を握ることから,棚氷下の海洋循環と底面融解の把握が急務となっている.しかしながらその重要性にも関わらず,数100mから数kmの厚さを持つ氷に覆われた氷床底面の直接的観測は非常に難しい.その困難な観測を実現する手法が,熱水掘削と掘削孔を使った観測である.本稿では,南極氷床における熱水掘削を使った底面観測について,これまでに報告された研究例を概説する.また実施例として,筆者らが実施したラングホブデ氷河での掘削を紹介し,熱水掘削による氷床底面探査の将来展望について述べる.(著者抄録)