抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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我が国における豚肉の消費量は西日本より東日本で高いことが知られている。国産豚肉の競争力強化のためには西日本における消費者に対しても訴求できる販売戦略の確立が必要である。このような販売戦略立案を目的とし,豚肉に対する経験,知識,態度の地域間差を解明するため,関東地方および近畿地方在住の一般消費者285名および東日本および西日本在住の食肉産業従事者112名を対象としたwebアンケートを実施した。設問は,一般消費者に対しては豚肉の購入手段,購入品目,購入・喫食経験,豚肉料理に対する嗜好,豚肉に関する知識,豚肉に対するニーズ・意識に関する合計109項目,食肉産業従事者に対しては種々の特性の豚肉に遭遇した経験,豚肉に関する知識,豚肉に関する意識,豚肉品質の改善の必要性に関する合計80項目を設計した。回答結果は居住地をはじめとする回答者の属性を説明変数とし,累積ロジットをリンク関数とした一般化線型モデルにより解析した。その結果,一般消費者は,設問のうち購入手段1項目,購入品目3項目,豚肉料理の嗜好について8項目,知識1項目,ニーズや意識3項目についてそれぞれ居住地の効果が有意であった(P<0.05)。豚肉料理については全ての項目で関東地方でより好ましく感じられていた一方,近畿地方においては関東地方より知識が高く,ニーズが強いことから,近畿地方の方が消費者の品質指向は高いものと考えられた。食肉産業従事者は,知識3項目および意識1項目において居住地の効果が有意であり(P<0.05),西日本の方が東日本よりも知識が高く,また西日本の方がより「消費者の価格指向が高い」と感じていた。西日本における消費者の品質指向と食肉産業従事者が有する「価格指向」の消費者像には乖離があると考えられ,この乖離を解消することが西日本における豚肉販売の拡大に有益と考えられた。(著者抄録)