抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近似メッセージ伝搬法(AMP:Approximate Message Passing)は非常に低演算量な大規模MIMO(Multi-Input Multi-Output)信号検出手法として知られているが,内部処理を倍精度演算で行う場合,システム規模の増大に応じて消費電力の増大と大規模なメモリ占有が問題となる.この問題に対し,倍精度AMPの内部処理で扱われる変数の分布に基づいて,倍精度演算をLUT(Look-Up Table)を用いた整数精度の参照操作に置き換える参照型AMP検出器が提案されている.しかし,実際に動作させた場合の内部挙動と倍精度AMP内部の変数分布の乖離によって深刻な特性の劣化が避けられない.そこで本稿では,参照型AMPが多数の小さなLUTを積み重ねた多層構造を有していることに着目し,各階層での離散出力の分布を追跡することで,特性劣化を最小限に抑制する手法を提案する.提案法では,各演算のテーブル化において離散出力変数のヒストグラムを作成し,これに対して量子化操作前後のMSEを最小化するLloyd-Max法を使用してLUTを設計する.このとき,k-means++法による初期値選択を行い初期値依存性を補償する.最後に,計算機シミュレーションにより,提案法がビット誤り率(BER:Bit Error Rate)特性の観点から相関の有無に関わらず良好な特性を達成できることを示す.さらに,無相関通信路で作成した参照型AMPが異なる通信環境でも良好な特性を達成できることを明らかにし,その原因についても考察する.(著者抄録)