抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究は,会食の際に提供される食事形式が,参与者の会話行動に及ぼす影響を,人の行動から明らかにすることを目的とする.分析のため65~80才(平均年齢72.5才SD=4.4)の男女24人に参加を依頼し,6名1組計4グループに分かれ食事をしてもらった.参与者らは同一メニューで異なる形式(銘々膳形式と共同膳形式)にて2回の食事をした.食事中の様子を映像に記録し,参与者らの発話内容を書き起こした.書き起こしデータに基づき,会話のトピック数,内容,参与者の発言回数を分析した.その結果,共同膳形式は銘々膳形式よりトピック数,参与者の発言回数が共に有意に多いことが示された.これにより共同膳においては,一つのトピックに対し多くの参与者が発言し,話題が切り替わっていることが示唆された.一方銘々膳においては,トピック数は少なく,さらに少数の話し手が長く話題を継続している可能性が認められた.トピックの内容を分析したところ,共同膳では提供されている料理に関するものが多かった.これは共同膳においては,大皿からの取り分け行為が参与者の発言を誘発する,また大皿が参与者の共有物であるため料理の話題がトピックとして取り上げられる場が構築されていると解釈できる.本研究により,提供される食事形式に応じてトピックや人の会話行動が変化することが明らかになった.(著者抄録)