文献
J-GLOBAL ID:202302279965373187   整理番号:23A1376090

25年ぶりに相模湾で発生した円石藻Gephyrocapsa oceanicaによるブルーム

Coccolithophore Gephyrocapsa oceanica Bloom Occurrence in Sagami Bay for the First Time in 25 Years
著者 (6件):
資料名:
号:ページ: 24-31 (WEB ONLY)  発行年: 2022年06月27日 
JST資料番号: U2980A  ISSN: 2436-4878  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
円石藻類は円石と呼ばれる炭酸カルシウムの板を形成する植物プランクトンの一種で,比較的多様で,世界の海洋に約200種存在する。円石藻類は海底の巨大な石灰質堆積物に蓄積し,海洋化学の堆積バッファーとして機能するだけでなく,地球規模の炭素循環と気候に重大な影響を与える主要な長期炭素貯蔵庫でもある。円石藻類は,海洋大気中の雲凝結核の主要な前駆体であるジメチルスルフィド(DMS)の主要な生産者でもあり,DMS排出は雲被覆の増加による日射を減少させる。円石藻類は,大気中の二酸化炭素の海洋取り込みに影響を与え,炭酸カルシウム堆積物とDMSを生成することにより,海洋の生物地球化学サイクルにおいて重要な役割を果たす。円石藻類はしばしば,大規模でブルームする。日本列島周辺では,円石藻類ブルームも報告されており,東京湾と相模湾(1995年),博多湾(2004年,2007年,2008年)ではGephyrocapsa oceanicaブルームが,駿河湾(2007)にEmiliania huxleyiブルームが起きた。2020年5月中旬,相模湾でおそらく25年ぶりとなる円石藻類の大規模なブルームが観察された。このブルームは,初めにJAXA GCOM-C海洋色リモートセンシング衛星「四季彩」によって初めて観測され,湾内の広大なエメラルドグリーンの反射率画像が撮影された。報告を受けた研究者は直ちに現地観測を実施し,円石藻類が大量発生の原因であることを発見した。円石藻類は日本近海によく見られるが分かり難いグループであり,相模湾でのブルーム観察報告は1件のみである。本研究では2020年に相模湾で観察された円石藻ブルームの特徴を明らかにするとともに,ブルーム時の海洋環境についても報告した。水温,塩分,栄養素,クロロフィルa,および細胞密度を野外サンプルから収集した。衛星海洋色データは「四季彩」から提供された。2020年5月13日と17日の衛星画像では,相模湾の左回りの沿岸流の影響でブルームが左回りに広がった様子が確認できた。種,Gephyrocapsa oceanicaは光学顕微鏡と走査型電子顕微鏡で確認され,1995年に発生した種と同じであった。表面のクロロフィルA濃度と細胞密度は,それぞれ1.2μg/L,9.0×103細/mLであった。ブルーム時の表面のNO2とNO3濃度はそれぞれ0.10μmol/Lと1.83μmol/Lであり,前年より比較的高かった。この結果は,円石藻類ブルームの原因の1つは,比較的高濃度の無機窒素であることを示唆する。遺伝子解析を用いた相模湾沿岸地域における原核生物および真核生物の群集構造に関するこれまでの研究では,一年を通じてhaptophytesの発生と円石藻類の発生を報告している。これらの結果は,相模湾には円石藻類が頻繁に存在し,環境条件がよければ短期間に大量ブルームを形成することを示唆する。詳細で具体的な原因を解明するには,培養実験を含むさらなる調査が必要である。(翻訳著者抄録)
シソーラス用語:
シソーラス用語/準シソーラス用語
文献のテーマを表すキーワードです。
部分表示の続きはJDreamⅢ(有料)でご覧いただけます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。

準シソーラス用語:
シソーラス用語/準シソーラス用語
文献のテーマを表すキーワードです。
部分表示の続きはJDreamⅢ(有料)でご覧いただけます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。

分類 (2件):
分類
JSTが定めた文献の分類名称とコードです
プランクトン  ,  海洋汚濁 
タイトルに関連する用語 (3件):
タイトルに関連する用語
J-GLOBALで独自に切り出した文献タイトルの用語をもとにしたキーワードです

前のページに戻る