抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
鎌倉時代後期の1324年頃,鎌倉より福島に送った『ゑかい書状』が,東日本大震災後,福島県いわき市長福寺本尊地蔵菩薩坐像の像内で他の文書とともに発見された。その中に「ひしをつくるしたい」の文書があり,今回は,その文書に記載のある「醤(ひしを)」製造についての材料や方法を解読調査した。『ゑかい書状』の醤はヌルデの葉を用いて種麹を作成する。また,塩の分量による速成,熟成の方法も記載されており,700年前の醤製造の貴重な資料であることがわかった。醤は奈良・平安時代は宮内庁の大膳職である醤院で造られ,鎌倉・室町時代は饗応に使われた。江戸時代は醤油の出現により醤油は購入し,醤は庶民が造るものへと変化した。昭和の初期は醤油の普及により醤を製造する地域は減少し,また,醤製造に醤油を加える地域もあった。(著者抄録)