抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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人の対話場面では,発話による言語情報だけでなく,身振りや視線,うなずきといったいわゆる非言語情報もやり取りされている。この非言語情報を詳細に観察すると,その行為は一定の流れの中で遂行されるだけでなく,時によどみも生じる。人の行為に見られるよどみは一見無駄に見えるが,情報を多く含むものである。本論文では,物語説明課題を行う話者の手の身振りに見られるよどみのうち,特にマイクロスリップ(microslips)と呼ばれる微細なよどみを観察し,その生起傾向を検討することを目的とする。マイクロスリップとは錯誤行為に至る前に修正される微細なよどみを指し,ある行為が活性化し,遂行され始めた後に調整され,その調整の過程で生じるとされる。そのため,対話場面でのマイクロスリップを観察することで,人が環境に適応しながら行為を遂行する有様を検討することができる。本研究では,マイクロスリップの生起頻度に関する定量的分析を通し,(1)聞き手位置とエピソードの違いがそれぞれ影響を及ぼすこと,(2)身振り視点切換頻度との関連が部分的に見られたことを示し,これらの結果についてHAIとの関連を中心に考察する。(著者抄録)