抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
年輪気候学的手法を適用し,ヒノキの年輪幅,年輪平均密度と気候要素との関係を解析した。関東から九州にかけての14地点を調査対象とした。軟X線デンシトメトリにより,年輪幅および年輪平均密度を測定し,各樹種の地点を代表する年輪幅または年輪平均密度の時系列であるクロノロジーを作成した。最寄りの地方気象台の気候データとの単相関係数を算出したところ,比較的温暖な福岡と千葉を除き,年輪幅は成長開始前の12月~4月のいずれかの月の最高気温と正の相関を示した。相関を示す月は生育地によって異なり,温量指数が下がるにつれ,1月,2月,3月と遅くなる傾向が認められた。温暖地を除き,成長開始前の冬季の気温(特に最高気温)が年輪幅に影響を及ぼしていること,寒冷になるにつれて影響を及ぼす月が遅くなっていることから,冬から春にかけてのある温度域における寒暖が光合成量の多寡に影響を及ぼしている可能性が示唆される。(著者抄録)