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J-GLOBAL ID：201702253628531324   整理番号：17A0331874

2011年東北地方太平洋沖地震以降5年間の三陸沿岸大槌湾における栄養塩環境の変化

Nutrient Status of Otsuchi Bay on the Sanriku Coast of Japan: 5 Years after the 2011 off the Pacific Coast of Tohoku Earthquake

著者 (8件)： 福田秀樹 (東大 大気海洋研) ,  YAN Yanhui (東大 大気海洋研) ,  高巣裕之 (東大 大気海洋研) ,  高巣裕之 (長崎大 大学院水産・環境科学総合研究科) ,  西部裕一郎 (東大 大気海洋研) ,  立花愛子 (東大 大気海洋研) ,  津田敦 (東大 大気海洋研) ,  永田俊 (東大 大気海洋研)
資料名： 沿岸海洋研究  (Bulletin on Coastal Oceanography)
巻： 54  号： 2  ページ： 105-116  発行年： 2017年02月27日 
JST資料番号： L3747A  ISSN： 1342-2758  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 2011年3月11日の2011年東北地方太平洋沖地震に伴う大津波の襲来により,三陸沿岸の内湾域では海岸地形の変化や堆積物の流出といった物理的な攪乱が生じたほか,藻場や干潟の流出,漁業施設や都市機能の損壊など,湾内の物質循環系を取り巻く環境に変化が生じた。我々は震災以降,五年間にわたって岩手県のリアス海岸の中ほどにある大槌湾を対象に栄養塩類の分布に対する大津波の影響を検討してきたが,本論文では,既に結果を報告している三年目に続く,2014年5月から2016年3月までの二年間の調査結果を報告する。大槌湾では2011年11月から2012年3月までの期間に顕著なリン酸塩の蓄積が見られ,全無機態窒素(TIN)とリン酸塩のモル比(TIN/P比)は震災前には約10であったが6程度まで減少した。これらの低TIN/P比は陸起源有機物や堆積物からの相対的にリンの寄与が高い栄養塩類の放出による可能性が考えられる。一方で,以降の2014年3月までの期間では,特に鉛直混合が強まる時期にTIN/P比の平均値は12-13と震災前よりも高くなっていた。2014年5月以降の混合期におけるTIN/P比の平均値は,それ以前の二年間の同時期よりも低くなったものの,2016年の初頭でも依然として震災前よりも高い状態が続いていた。(著者抄録)

シソーラス用語： *大地震 ,  沿岸 ,  湾 ,  *栄養塩類 ,  岩手県 ,  藻場 ,  干潟 ,  大津波 ,  震災 ,  *水質試験 ,  *海水 ,  空間分布 ,  季節的変動 ,  窒素形態 ,  リン酸塩
準シソーラス用語： *2011年東北地方太平洋沖地震 ,  三陸沿岸 ,  大槌湾 ,  無機態窒素

分類 (2件)： 水質調査測定一般  (SB02060X) ,  自然災害  (RA02030M)

引用文献 (24件)：

• 1)Goto, K., K. Ikehara, J. Goff, C. Chagué-Goff and B. Jaffe\n(2014): The2011 Tohoku-oki tsunami-three years on. Marine\nGeology, 358, 2-11.
• 2)鈴村昌弘・石丸隆・伊藤進一・梅澤有・小川浩史・木暮一\n啓・小松輝久・高田秀重・田辺信介・津田敦・中田薫・福田\n秀樹・風呂田利夫(2011):東日本大震災による海洋生態系影\n響の実態把握と今後の対応策の検討(提言),日本海洋学会,\nhttp://kaiyo-gakkai.jp/jos/archives/geje2011_artcl/1589.
• 3)Fukuda, H., R. Katayama, Y.-Y. Yang, H. Takasu, Y. Nishibe, A.\nTsuda and T. Nagata(2016): Nutrient status of Otsuchi Bay\n(northeastern Japan)following the 2011 off the Pacific coast of\nTohoku Earthquake. Journal of Oceanography, 72, 39-52.
• 4)山本光夫・加藤孝義・多部田茂・北澤大輔・藤野正俊・小豆\n川勝見・松尾基之・田中潔・道田豊(2015):東日本大震災後\nの釜石湾における海域環境変化.日本水産学会誌,81,243-\n255.
• 5)Yamada, Y., S. Kaga, Y. Kaga, K. Naiki and S. Watanabe(2015):\nChanges of seawater quality in Ofunto Bay, Iwate, after the 2011\noff the Pacific coast of Tohoku Earthquake. Journal of Oceanography,\ndoi10.1007/s10872-015-0336-y.

タイトルに関連する用語 (5件)： 2011年東北地方太平洋沖地震 ,  三陸沿岸 ,  大槌湾 ,  栄養塩 ,  環境