抄録/ポイント: 抄録/ポイント
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本報ではスポーツ医学やリハビリテーション領域での二関節筋機能の応用を目的とし,実際は多リンクであるヒトの下肢の二関節筋機能を明確とするため,さらに大腿や体幹までをも考慮した一般的なリンク機構について,跳躍時の重心位置を理論的に解析することにより,つま先での床反力が重心の方向を向き,安定な跳躍を得るための各関節トルクの満たすべき条件を導出した。これにより二関節筋を有する動物の脚を模倣したメカニズムの跳躍における優位性を明らかにした。さらに動物の脚を模したメカニズムを四脚跳躍ロボットに適用し,実験によりその有効性を確認した。これにより得た主な知見を次に示した。1)脚の質量が無視できる脚型ロボットの跳躍について検討し,それぞれの関節に一つずつアクチュエータを配置した従来のロボットの跳躍では,各関節と床反力の作用点と重心の位置を結ぶ直線との距離に比例した関節トルクを各関節ごとに与えることにより,重心の加速度ベクトルがつま先と重心を結ぶ方向に一致し,跳躍が実現できること,ただし跳躍中の姿勢と重心位置を逐次観測する必要があること,2)しかし動物の脚メカニズムを模倣し,二つの関節に跨がる二関節筋を模傲したロッドにより閉リンク機構を導入したパンタグラフモデルでは,ただ一つの関節を駆動することにより跳躍時の床反力が重心の方向を向くこと,すなわち,パンタグラフモデルでは,跳躍中に変化する姿勢や重心の位置を観測すること無く跳躍が可能であること,これから脚型ロボットの高速移動の実現には運動制御が容易な動物の脚機構を模倣したパンタグラフモデルは有効であること。