抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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東京中央部から約50kmに位置する遠郊外の住宅地域は,人口減少や高齢化のような問題に直面しており,空き家の数が増加している。これらの問題に対する一つの解決策は,「近居」(家族の近くに住む)の推進である。若い家族が両親の近くに住むと,両親からの育児支援を受けることができ,反対に,両親は将来子供に介護されることができる。しかし,近居の現況は現在の統計からは決定できず,その利点は証拠では証明されていない。近居の現状を把握することを目指して,埼玉県日高市こま武蔵台においてその利点を証明する。地域には2000世帯,約5000人の住民がいる。最初に,平成12年11月の住民組織の協力による住民のアンケート調査を行い,611人の世帯主或いはその配偶者の協力を得た。次に,2010年~2016年の間の取引について,2017年1月に,地域における約80%の不動産取引を扱う地域の不動産エージェントだけに対するインタビュー調査を実施した。そして,著者らは,2017年9月に住宅地図上の親-子の近居ペアの間の位置関係に関する情報を得るために,居住者の口頭調査を行った。アンケート調査の結果は,両親または子供の近くに住む居住者の割合が10%以上であり,若い(<45歳)家庭の約1/3の親が同じ地区に住んでいることを示した。両親の近くに住む家庭のうち有意に高い割合はタウンハウスに住み,それは地区の住宅の約20%を占め,戸建住宅よりも小さく,費用がかからない住宅である。実際の不動産取引における近居の割合は約20%であり,妊娠または孫の出生はしばしば地域への子供家庭の移動の引き金であった。親子の間の位置関係に関しては,地域の7つの近隣住区において同じ近隣住区に住む傾向があり,地域のすべての住宅からランダムに選択された組合せよりも,平均的に親子が有意により近くに住んでいた。子供の家庭の近くに住んでいる高齢の両親の利益に関しては,子供または彼/彼女の配偶者は,両親のために日常的にショッピングを行った;その結果,他の高齢居住者に比べて不便が有意に少ない傾向があった。さらに,高齢者両親は,地域の生活に関する不安が少なく,その最終的なものとして家庭内に住んでいる傾向があり,自己評価された健康が良好であった。近居の現状とその利点に関する本研究の知見は,近居の促進に対する証拠を提供した。住民組合は,子供の近くに住む高齢者の声として役立つことができ,地域の他の居住者や地域外に住む彼らの子供に較べての利点を享受していることを示した。実際の不動産エージェントはその居住者への新しい空き家の特性についての情報を提供しなければならない,というのは,親子が互いに近くに住む傾向があるからである。自治体は,以前に地域に転入する家庭がその厳しい条件を満たさなかったからという理由での,近居の促進のための補助金の必要条件を緩和すべきである。(翻訳著者抄録)