抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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有機リン系農薬は,環境中や浄水工程の間に,より有害影響の強いオキソン体を生成することが懸念される。本研究では,24種について塩素処理を行ない,反応生成物が急性毒性の標的であるコリンエステラーゼ(ChE)に及ぼす影響を評価した。その結果,すべて塩素と速やかに反応し,そのなかで,ChE阻害活性が増強された農薬は反応生成物の有害リスクが高いと考えられ,原体とともに評価する必要性が明らかとなった。また,反応前後のChE阻害活性を比較し,それぞれの農薬の急性毒性に対する評価対象物質が明確となった。さらに,ChE阻害活性と水道水質基準の水質管理設定項目の目標値を用いてリスク評価を行なった。本研究により,水質管理における有機リン系農薬の浄水工程での挙動把握および有害影響評価の優先順位を明示できた。これらの結果より,使用実態を含めた総括的評価が可能となり,水道水の安全性への迅速な評価および緊急時対応のための有益な情報となると示唆される。(著者抄録)