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J-GLOBAL ID:200902273582525178   整理番号:09A0298557

スフィンゴシン1-リン酸は破骨細胞前駆細胞の遊走を調節し骨の恒常性を制御する

Sphingosine-1-phosphate mobilizes osteoclast precursors and regulates bone homeostasis
著者 (10件):
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巻: 458  号: 7237  ページ: 524-528  発行年: 2009年03月26日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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破骨細胞は体細胞の中で骨吸収能を有する唯一の細胞であり,「骨リモデリング」とよばれる正常の骨の恒常性維持だけでなく,関節リウマチや骨粗鬆症などの骨吸収性疾患の病態においても重要な役割を果たす。この研究領域でこれまで主に注目を集めてきたのは,NF-κB活性化受容体リガンド(RANKL,別名TNFSF11)やTNF-αなどの破骨細胞分化を誘導するサイトカインによる遺伝子調節であり,いずれのサイトカインも,破骨細胞の最終分化に関与することが十分証明されている。破骨細胞前駆細胞は骨表面で融合し,骨吸収能を有する終末分化した多核巨細胞となるが,その一方で,骨表面へ,また骨表面からの破骨細胞前駆細胞の遊走は,重要な過程であるにもかかわらず十分な研究がなされていなかった。今回我々は,血液中に豊富に存在する脂質メディエーターであるスフィンゴシン1-リン酸(S1P)が,培養系だけでなくin vivoでも走化性を誘導して破骨細胞前駆細胞の遊走を制御し,骨塩量の恒常性の動的な制御に寄与することを報告する。破骨細胞前駆細胞の特性をもつ細胞は,機能的なS1P1受容体を発現し,in vitroでS1P濃度勾配に従った正の走化性を示す。さらに,生体内2光子励起顕微鏡観察による生きた骨組織の画像化により,強力なS1P1受容体アゴニストであるSEW2871が,in vivoで破骨細胞前駆細胞を含む単球系細胞群の運動を刺激することが示された。破骨細胞前駆細胞を含む単球系細胞(CD11b,別名ITGAM)特異的に,S1P1を条件的ノックアウトしたマウスでは,骨表面への破骨細胞の接着の増加による骨吸収の亢進がみられた。さらに,S1P1受容体アゴニストであるFTY720投与は,骨表面に接着する成熟破骨細胞数を減少させることにより,卵巣摘出によって誘導される骨粗鬆症を軽減した。総合すると,これらの結果は,S1Pが破骨細胞前駆細胞の遊走能を制御して骨塩量の恒常性を動的に調節することを実証しており,S1Pが破骨細胞分化の重要な制御点であり,治療標的としても有望なことを明らかにしている。Copyright Nature Publishing Group 2009
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分類 (2件):
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JSTが定めた文献の分類名称とコードです
細胞生理一般  ,  骨格系 

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