抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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踏切通過時の一旦停止義務の解除を要望する声があるが,解除によって安全性にどれほどの影響があるのか,十分に検討する必要がある。一旦停止が安全性に与える影響の有無を,イベントツリーを活用して評価したところ,一旦停止を行わない場合,次の2点の事象が増加することが分かった。1)踏切出口の先詰まりに対する不注意による踏切内での滞留,及びこれによって引き起こされる死傷事故,2)通行直前の警報に対する不注意・無視による無謀進入,及びこれによって引き起こされる遮断かん折損及び死傷事故。また,警報開始時におけるドライバ行動評価実験をドライビングシミュレータを用いて一般ドライバ30名の参加によって実施した。その結果から,一旦停止を行わない場合,警報開始から遮断開始までの時間が現行の4秒のままとして,遮断かん折損に至る状況を,遮断開始から2秒後(警報開始から6秒後)以降に進入した場合と想定しても,遮断かん折損は現状に対して約6倍の増加になることが分かった。現状で,東京都において踏切障害事故は年間16件程度起きている。過去の実績等により,遮断かん折損をその25倍程度と推定すると,年間400件程度起きている計算になる。一旦停止を行わない場合,2組全遮断の踏切で,警報開始,遮断開始時間を現状のままとした場合,約2400件と大幅に増加して,踏切の安全性が低下すると考えられる。