抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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半導体結晶中の水素は功罪相半ばするため,半導体中の水素状態を十分に解明し,精密制御を行うことは基礎研究としての興味だけではなく,現在では非常に重要な技術的課題である。本概説では,1)Si結晶中に水素原子が如何に導入されるか,水素から見ると如何に侵入するのかというプロセスに関する最新の研究結果,並びに2)1980年代からの研究で明らかになっているSi結晶中の状態(形態)と筆者らのグループが見いだしたSi中の水素原子,および水素関連複合中心について俯瞰的な見方を述べ,さらに3)表面・界面とバルクの比が極端に大きいSiナノ構造体での水素パッシベーション効果の最近の研究結果について報告した。第三の水素分子量をモニターし,HとDの混合比を変えて水素処理を行い,水素原子の侵入プロセスについて調べた。その結果,同位体効果が見いだされ,SiO
2/Si界面を通してSi結晶中に水素が侵入する際の新しい侵入プロセスモデルを提唱した。今後,このモデルの検討のために第一原理計算等の研究が望まれる。Siナノ結晶やSiナノワイヤの本来の物性を調べる研究や,将来のナノエレクトロニクスデバイスの研究開発にも水素パッシベーションなどの欠陥準位除去法の研究が必要であることを示した。