文献

J-GLOBAL ID：201102208753623728   整理番号：11A1256198

日本南西部におけるヒナイシドジョウ,Cobitis shikokuensisの分布と資源量に影響を与える生息地の要因

Habitat factors affecting the distribution and abundance of the spinous loach Cobitis shikokuensis in southwestern Japan

著者 (5件)： KAWANISHI Ryota (Ehime Univ., Ehime, JPN) ,  INOUE Mikio (Ehime Univ., Ehime, JPN) ,  TAKAGI Motohiro (Ehime Univ., Ehime, JPN) ,  MIYAKE Yo (Ehime Univ., Ehime, JPN) ,  SHIMIZU Takaaki (Ehime Res. Inst. Agriculture, Forestry and Fisheries, Ehime, JPN)
資料名： Ichthyological Research  (Ichthyological Research)
巻： 58  号： 3  ページ： 202-208  発行年： 2011年07月25日 
JST資料番号： L2718A  ISSN： 1341-8998  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： ドイツ (DEU)  言語： 英語 (EN)

抄録/ポイント： 本研究では,日本南西部の重信川水系における絶滅危惧種の底生魚であるヒナイシドジョウ,Cobitis shikokuensisの分布と資源量に関連した生息地の要因を調べた。本研究対象の河川において,ヒナイシドジョウは上流から河口付近まで,幹流沿いに広範囲に分布したが,支流の河川ではまれに観察されたに過ぎない。分類木解析により,ヒナイシドジョウの存在/非存在は,中礫の存在比率と人工的な障壁間の河川区間の長さの組み合わせで説明されることが示された。ヒナイシドジョウの出現率は,豊富な中礫(>27.7%)が存在する場所で高かったが,中礫が豊富に存在しても短い河川区間(≦0.97 km)の場所では低かった。ヒナイシドジョウの生息密度の回帰木モデルにより,より高比率で中礫が存在する場所(>40.4%)がより高い生息密度を示したことから,一つの最良の予測法として中礫の存在比率のみが支持された。これらの結果より,ヒナイシドジョウの分布と資源量を決定するための最も重要な要因は基質の条件であり,そして,人工的な障壁による生息地の断片化が本河川においてヒナイシドジョウを絶滅の危機にもたらす可能性を最も有していることが示唆された。本研究の河川が強く断片化した状態や,障壁により上流への移動が妨げられていることを考慮すると,ヒナイシドジョウの保護のためには上流域に適切な生息地を維持することが極めて重要であることが結論付けられた。(翻訳著者抄録)

シソーラス用語： *ドジョウ科 ,  *生息環境 ,  生息場所 ,  河川 ,  *河川環境 ,  生物 ,  土木構造物 ,  生息密度 ,  絶滅危惧種
準シソーラス用語： *Cobitis shikokuensis ,  *ヒナイシドジョウ ,  河川構造物 ,  重信川 ,  生息地

分類 (2件)： 魚類  (FH02020K) ,  個体群生態学  (EE03030S)

引用文献 (20件)：

• BREWER, SK. Natural landscape and stream segment attributes influencing the distribution and relative abundance of riverine smallmouth bass in Missouri. North Am J Fish Manage. 2007, 27, 326-341
• DELURY, DB. On the planning of experiments for the estimation of fish populations. J Fish Res Bd Can. 1951, 8, 281-307
• Ehime Prefectural Chuyo Fisheries Experimental Station. Report of conservation project for threatened aquatic organisms in Ehime Prefecture : spinous loach (Heisei 9, Kisyousuiseiseibutsu-hozon-taisaku-shiken-zigyou-houkokusyo, Ehime-ken : Ishidozyou). 1998
• HANSKI, I. Single-species metapopulation dynamics : concepts, models and observations. Biol J Linn Soc. 1991, 42, 17-38
• HIRAMATSU, K. Habitat analysis of ajime-loach (Niwaella delicata) in the Ai River. Bull Agr Food Env Res Ctr Osaka. 2004, 40, 33-40

タイトルに関連する用語 (6件)： 日本 ,  Cobitis ,  分布 ,  資源量 ,  生息地 ,  要因